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C勤務態度が不良または、企業秩序に違反があった場合

C勤務態度が不良または、企業秩序に違反があった場合

 

イ 上記の行為が会社にどの程度の損失を与えたかの実証は、一般的には困難

明らかに会社の資金の横領や不正な取引などのような、刑事罰に相当する事案であれば、当然、懲戒解雇となります。しかし、上記の行為によって普通解雇にする場合、勤務態度の不良(たとえば上司に反抗的であるというような)や軽微な企業秩序の違反を理由とすれば、会社の解雇権の濫用と見なされかねません。一般的には、一度だけでは解雇事由にはならないとされています。

 

ロ 上記の行為がくり返し行われた場合は、会社の業務に支障があったと判断される

上記の行為が何回もくり返された場合、一回々々の行為が会社に与える損失が軽微であっても、それが累積されれば、相当の損失と見なされますので、解雇事由に当たると解されます。これを「積み重ね論」と言います。

しかし、この場合でも、会社が十分な注意・指導をして、不心得な社員の自己改革・改善の機会を与えることが求められます。

 

ハ 上記の行為がくり返し行われ、会社の業務に支障があったと判断して、最終的に普通解雇に踏み切る前に、会社が講ずべきこと

@書面において、具体的な好ましからざる事実を示し、本人の反省と自覚を促す

Aその後、一定の期間(たとえば3か月程度)、勤務態度や日常の行動をチェックする。

Bそれでも改善が見られない場合、そのつど、注意をし、それを記録しておく。なお、注意を与える際、懲戒(減給や譴責など)処分のあり得ることを、ハッキリ告知する。

Cそれにもかかわらず、何らの改善が見られない場合、「解雇理由書」を作成して本人に示し、「依願退職」をすすめる。

その理由:

a.たとえ懲戒を経由していても、この程度の事由による解雇は、あくまでも「普通解雇」であって「懲戒解雇」でないため、本人から会社の解雇権の濫用であると訴訟を起こされる可能性がある。その場合、敗訴のリスクをなしとはしないからである。

b.本人が労働組合に救済を求めた場合、対労組交渉という厄介に巻きこまれかねない。

 

ニ 結論

@における@〜Cを地道に実行すること。

Aそれでも改善されない社員は、もともと見込みがないのだから、何日かの出勤停止処分にし、その後に普通解雇の手続きを粛々と進める。


「何日かの出勤停止処分」には「それでも改善されなければ解雇をします」ということを予告する意味が含まれています。そこまでしておけば、裁判所も普通解雇を認めてくれるだろうと思われます。

 



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