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A協調性不足が業務の障害になる場合

A 協調性不足が業務の障害になる場合

 

イ 協調性不足は、普通解雇の事由になるか?

「プロジェクト・チーム」や「開発研究グループ」など、今や会社の業務は集団によって運営されています。従って、社員の協調性は、会社の業務にとっては不可欠となっています。これを逆に言えば、協調性の不足は、提供された労務に瑕疵があることを意味しますので、債務の不完全履行と解することができます。これは、就業規則の「不完全な労務提供しかできないとき」の規定に該当しますから、普通解雇の事由に相当します。

ただし、上記の結論を得るには、いくつかの前提条件があります。

 

ロ 前提条件の@ 本当に「協調性不足」であるかどうかの見究め

「協調的である」または「協調的でない」の判断は、多分に主観に基づきがちになります。

次のような例を考えてみましょう。

ある部署の人事が停滞し、比較的高年齢者が長年にわたって業務に従事している。その部署に新鋭の社員が配属される。その新鋭の社員の目から見ると、業務がマンネリに陥っており、改善すべき点が多々ある。そこで新鋭の社員は意見を具申する。

これは既存の社員にとっては愉快なことではない。なぜなら、その具申された意見を認めることは、従来の業務遂行のありように欠陥があったことを認めることになり、いたくプライドが傷つけられます。多勢に無勢。おそらく、この新鋭の社員は「協調性不足」を理由に排斥されることになろう。

前提条件のA 配転の実行

「協調性不足」を指摘された社員を少なくとも一度は配転させる。もし上記の社員のように、本当は「協調性不足」でも何でもないとしたら、新たな配転先からは同様の指摘はなされないはずです。

もし配転先から同様の指摘がなされた場合は、当該社員の「協調性不足」はかなり真実味を帯びてきます。

前提条件のB 「協調性不足」を是正するための手続き(措置)

「協調性不足」を指摘された社員を配転させる際、本人に「協調性不足」を改善するためのチャンスを与えたことを明言し、自己改革を成就できなければ、就業規則の「不完全な労務提供しかできないとき」の規定に該当し、普通解雇の事由に相当することを前もって告知しておきます。

前提条件のC 「協調性不足」を示す業務実態の記録の作成

「協調性不足」が「客観的」に判断されたことを証するための記録を作成しておきます。

 

ハ 中小・零細企業の場合


 全従業員が30人以下の中小・零細企業の場合、職場が一つというのが通常です。従って、「配転」はできません。そのつど、厳しい注意や指導を与え、それでも上司および同僚から「協調性不足」が指摘された場合、即、解雇事由に相当すると判断されます。

 



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