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@ 疾病で業務が遂行できない場合

@           疾病で業務が遂行できない場合

 

イ 疾病による長期の債務不履行(労務提供の不履行)や不完全履行は、普通解雇の事由になるか?

タクシー会社の乗務社員が腰痛で従来の業務ができなくなった。しかし、会社にはその社員を事務職に配転させる余裕はなく、かつその社員に事務職としての能力が欠如していた。もちろん、この社員の疾病が業務上の災害によらず、従って、会社に安全配慮義務の違反がなかったものとする。

このように、会社に責任のない疾病による長期の債務不履行(労務提供の不履行)や、不完全履行は、普通解雇の事由になると理解されます。

通常、就業規則の普通解雇事由は「身体、精神の故障で業務に耐えないとき」と規定されていますが、債務の不完全履行も解雇事由であることを明確にするため、前記の規定に「または不完全な労務提供しかできないとき」の一文を書き加えるのが得策と思われます。

 

ロ 疾病を理由とする普通解雇と「休職システム」との関係

休職システムとは、疾病で欠勤が2〜3か月間続いた場合に、勤続年数に応じた一定期間の休職期間を与え、休職期間満了時に治癒しておれば復職を認め、治癒していなければ雇用契約を解消するというシステムです。つまりこのシステムでは、休職期間が満了して初めて「復職」か「解雇」かの結果が判明することになります。

休職期間中に治癒する見込みがあれば「復職」、その見込みがない場合理論上「解雇」となります。

もし休職システムを導入しているのであれば、社員が疾病に罹った時点で、疾病を解雇事由に相当するかどうか?ではなく疾病をまず「休職事由」とし、不幸にして当該社員の疾病が休職期間満了時に治癒していなければ、自然退職か、就業規則の「不完全な労務提供しかできないとき」の規定を適用して「普通解雇」とする扱いが実務的です。

 

※疾病の際に重要な点・・・・業務上か通勤途上か社員個人の問題かの区別

 

労働基準法

労災

民法

業務上

解雇制限事由

適用

安全配慮義務違反の場合損害賠償の可能性

通勤途上

災害補償の適用なし

適用

 

社員個人の原因

災害補償の適用なし

適用外(健康保険等)

 

 



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