B出勤不良の場合
B出勤不良の場合
イ 出勤不良とは?
1年間トータル(短い期間での判断は×)の出勤率が80%未満の場合を「出勤不良」と解されています。これは「労基法」39条が「出勤率が80%を超えた社員に有給休暇を与える」としていることを意識した解釈です。
出勤不良が見られる社員に対しては厳重な注意を与え、それでも改善が見られなければ、
就業規則の「または不完全な労務提供しかできないとき」の規定に該当するとして、普通解雇の事由になります。
ロ 欠勤理由の重視
出勤率が80%を超えた社員であっても、欠勤理由によっては、普通解雇の事由が成立します。具体的には、@会社が認めない理由による欠勤、A無断欠勤、B虚偽の欠勤理由(病気と言いながら、ゴルフ場や競馬場に行ったりすること)などが、それに相当します。
このような不当な理由による欠勤を防ぐには、会社は社員に対し、以下のことを周知徹底しておくことが肝要です。
@労働者に「欠勤権」という権利がないこと。これを逆に言えば、労働者は会社に対し「労務提供」の義務を負っていること(「賃金請求権の見合いに)。
A従って、労働者が欠勤する場合、その理由のいかんにかかわらず、会社の「承認」を得なければならないということ。
もちろん、労使の信頼関係が極めて良好な場合、実際の運営面において、必ずしも杓子定規にこの規定を振りかざすことは必要ないかもしれませんが、原則は原則、キチンと周知徹底しておかなければなりません。
ハ 不正な理由による欠勤を理由に普通解雇する前に講ずべきこと
@「就業規則」に欠勤に関する懲戒(減給や譴責など)の規定を定めておき、まずはそれを適用して、不心得な社員の更生の機会を与える。いきなり「解雇」という「伝家の宝刀」を抜かない。それによって、かえって労使間の信頼関係が深まる可能性があります。
A「就業規則」に欠勤理由を証する書面(医師の診断書など)の提出義務を定めておくこと。(仮に欠勤1日であったとしても提出させる義務を定めたほうがよい。)
もちろん、前記のとおり、その規定の適用に当たっては柔軟に対応しますが、不心得な社員にはいつでも適応し、虚偽に情状酌量の余地がなければ、直ちに「伝家の宝刀」を抜けるようにしておきます。
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