問題従業員への対応策
従業員が職場で起こす問題にはさまざまなものがあります。
従業員同士の喧嘩、お客さんとのトラブル、無断欠勤などなど・・・・。
このような場合、職場を管理する立場である店長はトラブルの対応に追われることとなりますが、つい感情的になって即辞めさせようという言動に走ってしまうことがあります。
本人が自らの過失を十分に承知の上、職場を去っていくのであれば後々こじれることは無いのでしょうが、納得できない場合は会社に対する恨みを持つこととなります。
従業員を解雇するときは、慎重に対応しないと思わぬトラブルが発生することがあります。たとえ勤務態度が不良であっても、いきなり「お前はクビだっ」や「明日から来なくてもいい」と頭ごなしに伝えてしまうと、言われた本人は感情的になってしまうのは当然だと考えられます。その感情が「解雇予告手当の請求」「労働基準監督署への駆け込み」につながり会社が抱えるリスクが増えることとなります。
このリスクを軽減するために、できるだけ「解雇」は避けたいところです。
では,問題のある(問題を起こした)従業員にはどのように対応したらいいのでしょうか?
1. ケース別対応策
@勤務態度不良
例えば、お客さんからのクレームが多い・サボりぐせがあるなど従業員としてふさわしいとはいえないとき
■なぜ、そのような行為・態度をとるのか、その理由を聴く
■不満を言わせ、それが単なる甘えなのか業務上の改善につながるものか確認する
■直してもらいたい点を指摘し、期限を決めて是正させる
■是正されない、本人の性格・考え方が会社の方向性に合わないようであれば、他の会社に行ったほうが本人のためである旨説得する
A突然、会社に来なくなってしまった
1)会社で気に入らないことがあったため、出社しなくなった
■話をするために来社させ事実関係の確認
■思い違い・誤解は無かったか
■店長を含め他の従業員にも非があるときはその点については詫びる
■本人の是正点を認識させ、注意する
■会社に戻る意思があるようなら、動機づける
■会社に戻る意思が無いのであれば、退職届を提出してもらう
2)体調を崩したという理由で、出社しなくなった
■欠勤が4日目に入ったら連絡して病状を確認する
■仮病の疑いがあるとき、欠勤が長引くときには医師の診断書の提出を求める
■治癒するまでの期間と本人の復職意思を確認する
■欠勤が長引きそうなときは、治療に専念することを勧める
B協調性がなくチームワークがとれない
■会社は1人で運営しているのではないので、折れることも必要であることを伝える
■気の合わない同僚がいても、勤務時間中のみの付き合いであることと説得
■同僚のどこが気に入らないのか確認し、うなずけることであれば是正させる
■勤務時間とは別にコミュニケーションをとる機会を作ってみる
■本人の性格が会社の方向性に合わないようであれば、他の会社に行ったほうが本人のためである旨説得する
C能力が著しく劣る
■期限を区切って目標を与え1つ1つクリアさせて覚えさせる
■覚えようとする気持ちが見えるときは、期限を多少超えても激励し頑張らせる
■ある一定の期間でこれだけのことは覚えてもらわないと困ると伝えておく
■他の従業員にしわ寄せがきていることを理解させる
■会社に迷惑を掛けているのではと、本人が感じ始めたら、他の会社に行ったほうが本人のためである旨説得する
2. 対応に当たって心掛けたいこと
@ 一方的に非難しないで言い分を聴くこと
A 直してもらいたい点を具体的に説明すること
B 期限を設けて段階を踏んで是正させること
C 出社拒否の場合には、連絡をとり戻る意思の確認をとること。戻る意思が無ければ退職届を提出してもらうこと(解雇ではないことの確認)
D 病気で出勤できないというときは、少なくとも1週間に1回病状の報告をさせること。状況により医師の診断書を提出させること
E 協調性(チームワーク)の大切さを理解させること
3. 対応の記録を文書で残す
問題従業員への対応は文書で残すことが重要です。
後日、トラブルになった時、証拠となります。
@ いつ、どのような注意をしたか
A 是正期限はいつにしたか
B 期限までに是正されたか、または是正しようと努力していたか
C 上司や役員への報告・相談は
大切なことは、会社の指導によっても是正されないため会社を去ることになったとしても「自分に至らない点があるから辞めることになった」と気づかせることです。