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 テレビが登場するまでの一時期、人々は映画館にわんさと押しかけました

テレビが登場するまでの一時期、人々は映画館にわんさと押しかけました。そして、たえば、アラカン(嵐寛寿郎)演ずる「鞍馬天狗」の「快刀乱麻」ぶりに胸をスカッとさせられたものです。さて、毎日新聞の「余録」におもしろい話が紹介されていました。

旧日本興行銀行の中興の祖と仰がれた中山素平さんが親しい新聞記者たちに配った名刺の肩書には「鞍馬天狗」の四文字だけが……。これは評論家の草柳大蔵さんが「……経済界の危急存亡が伝えられると、必ず姿を現して解決をする。その動きの迅速果敢、神出鬼没、さらに後も振り返らずに立ち去ってゆく姿は、鞍馬天狗をほうふつさせる」と記したので、おそらく鞍馬天狗の大ファンであったろう中山さんが「一生に一度くらい鞍馬天狗を名乗ってみたい」という純真な子供のような願いがあって、茶目っ気たっぷりにそんな名詞を配ったということなのでしょう。

「余録」の後半に、「無私無欲の人」と評された中山さんが「『無欲ではなく、欲もある。しかし、自分中心ではない』と受け流した」というエピソードが記されてあります。

この「自分中心ではない」という、一見、平凡な言葉は、不祥事があまりにも多い昨今、ズシリと胸に響きます。

 



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